爪弾いた絃(いと)が たおやかに震え
長い夜の足音を 紡ぐ
冷たさを孕む 莢かな風が
緩やかに髪を 撫でて 過ぎた


瞬きの端から 零れ溢れ
蒼の狭間 碧は混じり
鳴る鈴の響き 撓る唇の
歌は遥かなる 空へ吸われ


巡る 辿る

時と 想いは

這う蔦のように

この身を厭い


打ち捨てた 現(うつつ)
幻は ただ其処に有り
朽ち果てた砂のように
他愛無く 散った





掻き鳴らす弦(いと)が 切なく揺らいで
奏で綴る言の葉の 羅列
楚々と流れては 擦れ違いゆく
見も知らぬ影は 薄く 伸びる


吐息の隙間より 紛れ失せる
白の淵は 紫苑に埋もれ
降る音は深く 撓む舌の先
歌は遠く果て 霞み滲む


触れる 伝う

熱と 記憶は

這う蔦のように

この身を憂い


目を逸らす 現
幻は まだ其処に有り
崩れ去る塵のように
果敢無くも 消えた



********************



1-A
つまびいたいとが たおやかにふるえ(8・8)16
ながいよるの あしおとを つむぐ(6・5・3)14
つめたさをはらむ さやかなかぜが(8・7)15
ゆるやかにかみを なでて すぎた(8・3・3)14

1-B
またたきのはじから こぼれあふれ(9・6)15
あおのはざま みどりはまじり(6・7)13
なるすずのひびき しなるくちびるの(8・8)16
うたははるかなる そらへ すわれ(8・3・3)14

1-S
めぐる たどる ときと おもいは(3・3・3・4)13
はうつたのように このみをいとい(8・7)15

1-C
うちすてた うつつ(5・3)8
まぼろしは ただそこにあり(5・7)12
くちはてた すなのように(5・6)11
たわいなく ちった(5・3)8





2-A
かきならすいとが せつなくゆらいで(8・8)16
かなでつづる ことのはの られつ(6・5・3)14
そそとながれては すれちがいゆく(8・7)15
みもしらぬかげは うすく のびる(8・3・3)14

2-B
といきのすきまより まぎれうせる(9・6)15
しろのふちは しおんにうもれ(6・7)13
ふるおとはふかく たわむしたのさき(8・8)16
うたはとおくはて かすみ にじむ(8・3・3)14

2-S
ふれる つたう ねつと きおくは(3・3・3・4)13
はうつたのように このみをうれい(8・7)15

2-C
めをそらす うつつ(5・3)8
まぼろしは まだそこにあり(5・7)12
くずれさる ちりのように(5・6)11
はかなくも きえた(5・3)8

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

夢幻詩(ムゲンノウタ:lushiaさまに捧ぐ)

「幻惑詩」lushiaさま
http://piapro.jp/content/ssu477qeeyrzb62v
またもや素敵作品に惹かれて暴走。
色合いと蔦模様が何とも言えず魅力的で印象的な作品ですvvv



現実と夢想、夜に向かう狭間で惑い焦がれながら歌を奏でる。
そんな兄さんのイメェジでした。
ほんの少しだけ、Orientalな雰囲気が出てたらいいなぁ。
タイトルはちょっと違うものにしたくて「夢幻詩」にしてみました。
一晩考えてこれしか出てこなかった…。orz



構成は相変わらずA→B→S→Cの繰り返し。
定番で書き易いので、つい凝り固まってしまう…。
弦楽器の音が響く、緩やかな感じを妄想しつつ書きました。

閲覧数:107

投稿日:2008/10/29 12:30:11

文字数:1,097文字

カテゴリ:歌詞

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