　
　
　数多の人の命　この手を紅く染め
　蒼く笑う月が　零れ波紋を呼ぶ

　崩れていく理想　失われる理性
　埋もれたこの声で　誰に叫べばいい？

　静かな玲瓏が　大地に鳴り響き
　虚ろんだ瞳に　刹那の夢霞み

　
　空蝉　ざわめく
　陰翳　広がる

　終焉　間近に
　胸懐　ざわめく

　戦とはいつでも　行き違いでしかない
　気付かない僕らは　ただ流されてくだけ

　運命の螺旋が　音を立て滅んだ
　咲き乱れた花は　あの日の紅い色

　乱れるこの鼓動　染まる手で抱き締め
　風に靡いた髪　隙間に映る闇

　静かな玲瓏が　大地に鳴り響き
　虚ろんだ瞳に　刹那の夢霞み

　瞼　閉じた世界
　廻る　命はまた

　揺れた　空に滲む
　涙　融けて消えた

　瞼　閉じた世界
　廻る　命はまた

　揺れた　空に滲む
　涙　融けて消えた

― ひらがな ―

　あまたのひとのいのち　このてをあかくそめ
　あおくわらうつきが　こぼれはもんをよぶ

　くずれていくりそう　うしなわれるりせい
　うもれたこのこえで　だれにさけべばいい？

　しずかなれいろうが　だいちになりひびき
　うつろんだひとみに　せつなのゆめがすみ

　うつせみ　ざわめく
　いんえい　ひろがる

　しゅうえん　まぢかの
　きょうかい　ざわめく

　いくさとはいつでも　いきちがいでしかない
　きづかないぼくらは　ただながれてくだけ

　うんめいのらせんが　おとをたてほろんだ
　さきみだれたはなは　あのひのあかいいろ

　みだれるこのこどう　そまるてでだきしめ
　かぜになびいたかみ　すきまにうつるやみ

　しずかなれいろうが　だいちになりひびき
　うつろんだひとみに　せつなのゆめがすみ

　まぶた　とじたせかい
　まわる　いのちはまた

　ゆれた　そらににじむ
　なみだ　とけてきえた

　まぶた　とじたせかい
　まわる　いのちはまた

　ゆれた　そらににじむ
　なみだ　とけてきえた