過去と未来に跨り　叡智を印す根に
白い少女が捧げた銀の祈りが
静かに溶けてゆく

枝を伝った涙は帰らぬ人の為
淡い願いで染まった赤い果実は
少女の為に生る

「罪無きその手で
どうか私を　優しく抱いておくれ
泣かないでおくれよ」

永久の輪廻が巡る実に
美しき命が宿る
燃え盛る炎の瞳
翼を持つ獣

白い少女を見つめる鏡に似た瞳
心の奥を透かして　
傷も痛みも　黙して慰める

氷の色の鱗に弾ける笑い声
彼が包んだ世界は
雨も嵐も　彼方へ遠ざける

「もし私たちが離されるなら
貴女と手を取り合い
風と共に行こう」

古の教えが示す丘
美しき命誘う
手を取って二人は仰ぐ
愛を謳う　み空

永久の誓いを啼く獣
清き心抱く少女
溶け合った想いを掬い
愛を謳い繋ぐ




・平仮名・
かことみらいにまたがり
えいちをしるすねに
しろいしょうじょがささげた
ぎんのいのりが
しずかにとけてゆく

えだをつたったなみだは
かえらぬひとのため
あわいねがいでそまった
あかいかじつは
しょうじょのためになる

つみなきそのてで
どうかわたしを
やさしくだいておくれ
なかないでおくれよ

とこしえのりんねがめぐるみに
うつくしきいのちがやどる
もえさかるほのおのひとみ
つばさをもつけもの

しろいしょうじょをみつめる
かがみににたひとみ
こころのおくをすかして
きずもいたみも
もくしてなぐさめる

こおりのいろのうろこに
はじけるわらいごえ
かれがつつんだせかいは
あめもあらしも
かなたへとおざける

もしわたしたちが
はなされるなら
あなたとてをとりあい
かぜとともにゆこう

いにしえのおしえがしめすおか
うつくしきいのちいざなう
てをとってふたりはあおぐ
あいをうたうみそら

とこしえのちかいをなくけもの
きよきこころいだくしょうじょ
とけあったおもいをすくい
あいをうたいつなぐ