「兄貴の一番長い日」

Music　どぅるぎたー(2009)
Vocal　神威がくぽ
Talk　KAITO、Gumi


今日妹が彼氏を家に呼ぶ
夕食のたび話題のあの彼氏
自然な流れでそいつの顔を　見るため居間で何気なく読む
今朝のチラシ
ごく自然だ

ついにそいつのチャイムが鳴り響く
すぐ妹が明るく出迎える
小粋な手みやげひとつぶらさげ　お袋と俺に挨拶して
靴そろえた
できる奴だ

　妙に浮かれたお袋に促され　部屋に入っていく
　ちょっと待ってくれ　俺の心の準備が…

　I'm your lover's brother　第一印象は良好だ
　I'm your lover's brother　妹の部屋から笑い声
　She's my special sister　親父は逃げちまったようだが
　She's my special sister　俺は自分の部屋で耳をそばだてる

ふいに隣が静寂に包まれ
俺の心は脆弱さをさらす
そういや隣の部屋とこことは　ベランダがつながっていたんだ
そっと進む
親父がいた

足音消して隣へ忍び寄る
いまさら躊躇う親父せき立てる
心を決めて窓から覗けば　ふたりの一途な視線の先
『数学A』
「場合の数」

　妙な心配した俺の愚かさを知り　部屋に戻っていく
　そっと鍵を閉め　俺は一人むせび泣く

　I'm your lover's brother　俺はなんてことをしたんだ
　I'm your lover's brother　どうやってこの罪を償おう
　She's my special sister　そうだ手料理でおもてなしだ
　She's my special sister　俺は台所で一人蕎麦を打つ

妙にかしこまった初めての食卓も　俺の蕎麦の味わいで
一気に打ち解けた

「これ本当に美味しいですね」

「…え，まじでー！？」

　I'm your lover's brother　お前はなんていい奴なんだ
　I'm your lover's brother　ほら天ぷらも食べてみてよ
　She's my special sister　ほら浅漬けだっておいしいよ
　She's my special sister　俺は気が利くから　デザートも用意してる

　I'm your 義理のお兄ちゃん　妹をこれからよろしくね
　I'm youｒ 義理のお兄ちゃん　困ったことがあれば言ってね
　She's my special sister　親父は相変わらずいないが
　She's my special sister　俺はこれからも二人のそばにいる

No, no, no, no　親父はベランダだ！
いいやなんでもない…　もっと食べよう

「そ，そうだ！次は山菜そばにしようか，
このわらびはさっきお兄ちゃんが山から採ってきたばかりの…」

「ねぇ，どういうこと？」