【デモ版】Breeze Brings a Sorrow

Breeze Brings a Sorrow


遠くかすむ　雲の欠片が
西へ　西へ　流れ往けば
頂に到り来た日差しが　今にも
ため息を果てに向け
一つ　二つ

過ぎ越す風に曝され
この身　ここに捨て去られ
追い掛けるのも叶わず
草や木と共に立ち尽くすだけ
この目　この耳　この鼻と
この身体が感じた
この痛みの姿を歌えたら

Breeze Brings a Sorrow
時のしじまのさなかで
先も後ろも見失い
惑い彷徨う幼子のように
彼方から彼方へと
振り向くよりも速く
移ろい変わる今から
ただ取り残されて


筏は　それは　あまりに大きく
先へ　先へ　流れ往けど
舳先から隔たれた
この場所からでは
眺めさえ　景色さえ
変わりはしない

踏み出すための筈の足
いかなる方へ運ぼうと
檻も見えぬ籠の中に
閉じ込められてると知るばかり
どこからどこへ行くかさえ
誰かに尋ねられもせず
吹きつけてくる風の歌を聴く

Breezee Brings a Sorrow
夢と現の狭間で
右や左に向いてみても
すがるべきよすがも見つからず
彼方から彼方に
駆け抜けてゆく世界で
一人留まるすべなど、あぁ
ありはしない


Breeze Brings a Sorrow
ひととききりの憩いさえ
記憶の隅へと去るさだめ
抱き続けることもできず
この胸の中の箱
小さく脆い箱の中に
仕舞っておける物など限られて

Breeze Brings a Sorrow
頼りない灯火　当てにすれば
掻き消されることへの怯えは
決して拭えない

闇の中を一人で
居られたのだとしたなら
この痛み、幻だと、
――言えるのかな？