1.
A
  もうすぐこの命尽きて   遠く感じるこの世界に
  別れ告げる刻(とき)がくる   貴女に会えないまま

A'
  いくつも恋をしてきたけど   貴女は不滅の恋人
  永久(とわ)に忘れることなど   出来は   しないさ

B
  既に他人(ひと)のものだった貴女と   幾多の試練越えようやく
  結ばれる時が来たのに 嗚呼   過ち犯したのだ

S
  我が身   呪う   過ぎた   刻(とき)は二度と戻らない
  もし   願い叶うなら   書き足させてほしい
  セーニョ   ダル・セーニョ   コーダ   ここで運命を変えて
  貴女と見た夢を   叶えさせてほしい

2.
A
  それより10年ほど前   初めて本気の恋をした
  14も年の差のある   うら若き乙女に

A'
  この想い年を越えても   身分差は縮められない
  響きは似ていようとも   爵位   無き身だ

B
  穏やかに時に激しく響く   美しき奏鳴曲(ソナタ)  貴女への
  想い全て込め綴った曲   贈っても変わらない

S
  この身   蝕む   病   さらに追い討ちをかける
  もう   全て投げ捨てて   終わらせてしまおうか?
  思い   とどまる   再び  ペンを走らせて綴る
  美しい旋律   また誰かを想う

S
  Liebe  dich!  Liebe  dich!  Wie  du  mich  auch  liebst,  staerker  liebe  ich  dich  doch!
  Ich  bin  begierig,  dich  zu  sehen.  Aber  mein  Wunsch  hat  sich  nicht  erfuellt.
  想う   人は   いつも   変わらず去りゆく宿命(さだめ)
  眠る最期の刻(とき)   想う遠き彼の人(あのひと)


*ウムラウトは文字化けしたので、ウムラウトが使用出来ない時の表記法を取ってます。
aウムラウト→ae、 uウムラウト→ue

ドイツ語訳↓
愛してる! 愛してる! あなたがどんなに私を愛していようと、私はそれ以上にあなたを愛している!
あなたに逢いたくてたまらない。けれど、私の願いは叶わなかった。



前のバージョンにひらがなver.を置いてあります。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

das Schicksal seiner Liebe(仮)

いまりむしさんの楽曲(http://piapro.jp/content/ipurb2uwhehm7lah)に歌詞を書かせて頂きました。

今回、タイトルの『月光姫』に合わせるかテーマに合わせるか悩みました。
最初はタイトルに合わせて構想を練ってみたんですが、『月光』だけではどうにも一曲分の詞が書けず、テーマに沿って書くことにしました。


ベートーヴェンの恋愛話は諸説ある上に、私もそんなに詳しくないです。
今回は
1番に不滅の恋人に宛てた手紙の内容を元にアントニー(現在、不滅の恋人最有力候補)への想い
2番にジュリエッタへの想いと難聴が進む絶望
最後のサビ部分は一応、再びアントニーです。

更にちょっと説明
・「既に他人のもの」というのは、アントニーが既婚者だったから。

・「過ちを犯した」は、ダイム伯爵夫人との関係。彼女がベートーヴェンの隠し子を産んだと言う説も。

・2番の出だしは、ジュリエッタがベートーヴェンが初めて本気の恋をした相手とか、初めて結婚を考えた相手という説から。

・「響きが似ていようとも」は、ベートーヴェンの名前はLudwig van Beethoven。
  このvanが伯爵の位を表すvonと似ていることから。
  当時、本当に間違えていた人もいたとか。

・「穏やかに時に激しく」は1楽章の"Adagio"と3楽章の"Presto agitato"から。
  Adagio=静かに穏やかに
  Agitato=激情的に、急速に、激しく、激した

・2番のサビはハイリゲンシュタットの遺書を意識してみました。
 
・最後のサビのドイツ語。
  前半(Liebe dich!の繰り返し以外)は不滅の恋人に宛てた手紙の原文から抜粋。
  後半は旋律と上手くハマってくれるのが見つからず、自分で書きました。

ベートーヴェンは多くの恋愛をしてきましたが、生涯独身。
最期に想ったのはどの女性だったんでしょうね?
アントニーを意識してはいますが、最後を「彼の人」と曖昧にしたのは私にもわからないからです。

音楽史は苦手なため、かじった程度の知識で書いてます。
なので、この歌詞を完全に信じちゃダメですよw


それでは、長文失礼致しました。
ここまで読んで下さってありがとうございます。

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投稿日:2010/01/24 15:08:05

文字数:1,007文字

カテゴリ:歌詞

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