「nTH PHRASES」feat初音ミクオケ

taka

その両手伸ばして　掴み取る証

電子の波間を潜り抜け
繰り返されるエピローグは
積み上げた配列通りの夢
空想の現実

0と1に分けた部屋の
片隅に散る楽節
縫いとめる糸は過去に　失ったまま

深遠の夢から醒められなくて
まだそこには　行けそうもない
呼ぶ声は聞こえているのに
遮る幾番目の虚実
塞いでしまうこともできなくて

この指先に残るそれが
もし絶望に濡れていても
火をともした微かな音
白く変わりゆくプロローグ

0と1の部屋の鍵を
見つけられずにいたんだ
つきまとう自己矛盾を今　崩して

静寂の中に届く無機質な
幾億目の不条理と影
呼ぶ声が聞こえているから
真実を手に入れたいんだ
揺れる火で照らし　鍵穴をたどる

諦めかけていた糸の在処　鍵の行方
強く願う僕の手の上に　そっと

結びあわせゆく音の波と列
僕自身の殻を破って
宿る熱　今はまだ色も形もない不確かなもの
だれど確かな　僕だけの証
見つけたから