『フェードアウト』


勝者を跪かせようと四六時中　右往左往して
結果どうにもならないから見切り付けて次へ移行

卵と雛　どちらが先　そんな問答はもう何回目か
掌に残る重さはたったその程度の命で

起死回生の暴虐論を突き通せると思うその自信が
誰かのせいにして　誰かの為になる
それが本当に正しいなんて

響かせる熱の孤独な有様さえ
しくじるばかりでどうか傍に居てと笑う
退屈なんだ　そう癖づいた
言葉は宙に舞い切なさになる
耳を澄ませよう　君は何処に居る？


弱者に言い訳をさせようと二六時中　行ったり来たり
結論を急ぐ必要など無いと知りつつ脅したり

君と僕を計る針の間にある理想郷には
埋まらない澱に横たわる虚栄心が浮いてた

覚悟を見せれば保てる体面　それであの世に逝けば世話はないや
吊り下がるだけの簡単な度胸
拗らせるのはまだ早いから

囁く未練が静かになる瞬間を
ただ見守ってた　何も出来ないと知ったから
それでもいいか　そう身に付いた
習慣が不意に込み上がってく
泣き喚く　それは誰の声だろうか？


たった一つ　差し出してみた
気紛れな片手の先から
伝う冷たい息吹　それが存在を証した
何を言うでもなく消えゆく
人知れず彷徨う風には
いつかに置き忘れたはずの幽かなモノローグが

響かせる熱の孤独な有様さえ
しくじるばかりでどうか傍に居てと笑う
退屈なんだ　そう癖づいた
言葉は宙に舞い切なさになる
耳を澄ませよう　君は何処に居る？