A
そこはとても安全に 管理された王国
危険を冒すことが 何より重い罪だった

ある日の夜中 くれすと は門を越え抜け出した
翌日捕まった彼は 地下牢に閉じ込められた

その光景を僕は見てた 胸が痛むのを感じた
それでも足は動かない 決して逃げてるワケじゃない

B
彼は友達だけれど 馬鹿なことをしたのさ
彼が何か叫んでる 「馬鹿はお前達の方だ」

Sabi
悲しいだけの現実を 僕は上手に受け入れる
悔しいと知ってる未来を 無理に笑って見せた


A
本当にこれで良いのかと 何度も胸に問いかける
半開きの扉からは 答えは返ってこない

時々刑務所の方で 彼の悲鳴が聞こえる
塞いだ耳の内側に 彼の声がこだまする

街の外から入り込む 夜風が夢に吹き抜ける
「お前は知ってるはずだ」「お前は気づいてるはずだ」

B
僕の大切なものを 見知らぬ誰かが仕分けてく
彼が夢に見てた場所 そこは僕だって憧れてた

Sabi
卑しい街の外には 壁や行き止まりはなくて
思い出したよ小さな 希望運ぶ歌を


C
冷たい廊下はまるで洞窟で 僕の足音がどこまでも響く
それを消すように心音が猛り 焦らされた足が回転を上げる

壁の戯言(らくがき)は闇に溶け込んで 嘘を灯さなきゃただの絵空事

愛されたいと願い人を憎み 自ら手を差し伸べることはない

でも気づいたんだ出来ることがある 震える両手に臆病と勇気
どれだけ言葉で取り繕っても 自分のことが一番大切で

怖くて怖くて逃げ出したかった それでも僕は今を変えたかった
何かで滲む通路の向こう側 彼の捕まる牢獄を見つけた

手錠を外すと彼は僕を見て「おめでとう」と言った


Sabi
優しいはずの世界は 大人になるほど牙を剥く
苦しみから逃げたくて 自分騙す

でも一握りの勇気で 僕にも何かを変えられる
彼と町を飛び出した そこには道が見えた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【結月ゆかりオリジナル曲】黒の絵本~第2楽章~【歌詞】

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投稿日:2012/11/07 19:53:28

文字数:795文字

カテゴリ:歌詞

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