条理に芽生く蛹の葉肉
剥ぐ爪牙は
猛る火炉にくばれ融けゆ
雲居遙かになりもゆく
そう、これは戯劇
破らばそれでお仕舞い


月輪欠ける五情の昏み
離る揺籃ゆれてはかえす
波と見紛う産みのみちひき
軌道の稚児は狂いの呻き

秤を傾く道化のリンガは
牧童拐すハメルの笛吹き
麻酔めくるめく前後は覚えず
涅土こねくる衛者の蜥蜴や
妓楼に倚りてや花弁を食む日々
耐えて忍べば羽ばたくプネウマ
蜘蛛の子散らす合唱隊(コロス)に送られ
爕らぎ詠まる斉歌、言祝ぎに凭れて

ふたり口を寄せる
貴方思い描く喜劇のセーヌ


手繰る糸に引かるまま恋に堕ちた筈が
いつのまにかとんだ惨禍
此処は共犯麗しい魔性の刑場
地獄の淵にかかる
あまた勁華を踏みしだき
私をプリマに仕立てた咎受けるならば
どうか私を連れ添って
ねえ、堪えられない
二人で"劇団"なんて


死屍埋めし墓地にせめて救いを
捧ぐ薔薇は枯れて 私書くわ贖罪の詞を

餓鬼を甘やす乳母の腹裂き
出ずる男娼憎悪す綺羅星
梵鐘響くや菩提の調べ
唱応す是空に貴なる皇子
九龍統べるは万縷の諂喩
流浪の天涯、怨離の求道
泰斗に惑わう閻浮は磔け
臓腑掻きだす汚辱と責めの鉾

鋭い月はきっと我らの馘るギロチンの形
降りしくユダの血、遺言のように!

熾る焔、現を焦がし
今際ひらく詛いの蜜、艶や零れ
孵る蝶々茨荊にかかり二度と翔べぬ
祭火は夢さえ灼く
どうしてこんなおかしいわ
貴方言ったでしょう?
劇で絶えても生き還るって

今宵嘲くるクレセント、血塗れた鎌の光
切ない愛のオルガ、愛のオルガ、愛のオルガネラ……


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じょうりにめうくさなぎのはにく
はぐそうがは
たけるかろにくばれとけゆ
くもゐはるかになりもゆく
そう、これはぎけき
やぶらばそれでおしまい


つきのわかけるごじょうのくらみ
はなるようらんゆれてはかえす
なみとみまがううみのみちひき
きどうのちごはくるいのうめき

はかりをかたむくどうけのリンガは
わらはべかどわすハメルのふえふき
ますいめくるめくぜんごはおぼえず
くろつちこねくるえいしゃのとかげや
ぎろうによりてやかべんをはむひび
たえてしのべばはばたくプネウマ
くものこちらすコロスにおくられ
やわらぎよまるせいか、ことほぎにもたれて

ふたりくちをよせる
あなたおもいえがくきげきのセーヌ


たぐるいとにひかるままこいにおちたはずが
いつのまにかとんださんか
ここはきょうはんうるわしいましょうのけいば
じごくのふちにかかる
あまたけいかをふみしだき
わたしをプリマにしたてたとがうけるならば
どうかわたしをつれそって
ねえ、たえられない
ふたりで"げきだん"なんて


かばねうめしぼちにせめてすくいを
ささぐばらはかれて
わたしかくわしょくざいのうたを

がきをあまやすめのとのはらさき
いずるだんしょうぞうおすきらぼし
ぼんしょうひびくやぼだいのしらべ
しょうおすぜくうにあてなるすめらこ
クーロンすべるはばんるのてんゆい
るろうのてんがい、おんりのぐどう
たいとにまどわうえんぶははりつけ
はらわたかきだすおじょくとせめのほこ

あさいつきはきっとわれらのくびきるギロチンのかたち
ふりしくユダのち、いごんのように!


さかるほむら、うつつをこがし
いまわひらくのろいのみつ、つややこぼれ
かえるちょうちょしけいにかかりにどととべぬ
さいかはゆめさえやく
どうしてこんなおかしいわ
あなたいったでしょう?
げきでたえてもいきかえるって

こよいあざくるクレセント、ちぬれたかまのひかり
せつないあいのオルガ
あいのオルガ、あいのオルガネラ……




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Repentance

legataさまのピアノインスト曲「Repentance」へあてた詞にございます。

閲覧数:199

投稿日:2017/11/03 12:33:47

文字数:1,630文字

カテゴリ:歌詞

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