花の色を数えないで
いつ咲いたかを忘れてしまうから
星の道をなぞらないで
眠ることをやめてしまうから

近づきたくなる衝動を抑えきれずに
何度も躓いていくうちに
そばにいることを拒んでしまいそうになる
暖かさを疎ましく感じてしまう

目を閉じて響かせてしまえ
この声に関わるものは何一つない
昨日までも明日からも
細胞を根城に織りなす螺旋の音色

だからそんなものは捨ててしまえ


砂の数を数えないで
いつ増えたかを覚えてられないから
月の顔を笑わないで
話すことを諦めてしまうから

声かけたくなる欲求を抑えきれずに
何度も閉ざされていくうちに
そこで見ることを悔やんでしまいそうになる
安らかさを妬ましく感じてしまう

手を離して撒き散らしてしまえ
その指に触れてるものは何一つ無為
昨夜までも明夜からも
心音をねぐらに綾なす血管の緋色

だからそんなもの見捨ててしまえ


そこにいることは何も出来ないから
それは誰だって皆同じ筈なのに
共にいる意味をかなぐり捨ててまで
届かない光る矢を放ち続けている

喉をふるわせるしか出来ないんだ
鼓動灯すので精一杯なんだ
下らない甘さに手を伸ばしては腐り
ひび割れた感情は埋まること知らない

皆待っているしか出来ないんだ
昨日尽くすのでもうクタクタなんだ
見つめるふり叫ぶふり鏡に遮られ
繕った残像は見せる相手を間違え


指先で小さく小さく記すように
口先でか細くか細く紡ぐように
靄のかかった脈拍に馴染ませてく歌
全て閉ざしたままで共鳴する微かな歌

儚い事なんて知っている
拙い音なんて知っている
どうだっていいから
ひとつだけでいいから

思い出せる限りの足跡を
小さくこだました足音と

もう一度だけ手を繋げるから


目を閉じて響かせてしまえ
この声に関わるものは何一つない
昨日までも明日からも
細胞を根城に織りなす螺旋の音色

だからそんな明日を見ずに歌う

今はそんな明日を見ても歌う

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

花の色を数えないで

みなに。

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投稿日:2024/01/03 01:19:46

文字数:827文字

カテゴリ:歌詞

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