影踏み
午前四時 JR西口
改札の 奥に君の姿
わたし見て 白い歯見せてから
手を振って 階段を下りたの
春の朝 サイコロ振って 出た目進む すごろくみたいね
君はもう どこにもいない 私 進めない
きっと 「あがり」の 向こうで
ただ あの子と 笑ってる その瞳
午後六時 JR西口
改札の 奥に君はいない
わたしだけ 白い手握り締め
掌に 爪の跡が残る
夏の夜 影踏み走る 君の後ろ ずっと追いかけてた
君はもう どこにもいない わたし 走れない
きっと 缶蹴り 隠れて
ただ あの子と 笑ってる その背中
午後十時 JR西口
改札に 背を向けて進むわ
わたしでも 一人で行けるかな?
掌に 夜の風が当たる
午前四時 JR西口
改札の 奥に君の姿
わたし見て 白い歯見せてから
手を振って 階段を下りたの
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