それが好きのかたちと信じて疑わない
空を飛んだあの子は羽根が生えると信じてた
時間は直進し
今日も目覚めた


サイレンが鳴って僕は外に飛び出しては何千回目
ぎりぎりのところでかすった手のひらはもう潰えてしまった
いつまでもそのままで

いつか感じた温もりとやらは見つめても戻ってはこない
触覚にリンクする視覚をこの手で握りつぶした
いつまでもそこにいないで

時間旅行を夢見たからにはそれを現実にしよう
昨日の自分に負けただけでここまで哀しくなれるとは

未来を今にした冒険者は語れない
空を飛んだあの子の今までもこれからも
おはよう　ごめんね
ごめんね　おやすみ


サイレンが鳴って僕は外に飛び出しては何千回目
ぎりぎりのところでかすった手のひらはもう潰えてしまった
時間を巻き戻してみよう

昨日の僕は何をしたかと振り返って考える
今日の僕は？明日の僕は？そのまた更に未来の僕は？
いつまでも止まっていないで

もし君が死んでしまえば　もし君が生きていれば
今日の僕はあの子の手を取り救っていただろう

それが好きのかたちと信じて疑わない
空を飛んだあの子は羽根が生えると信じてた

昨日の自分に負けた今日の僕は
君に羽根を贈ってお別れにするとしよう

一歩進むごとに後ろは振り返らない
どうやら僕はただ会えたらと願っただけ
明日また　会えたらと

空を飛んだあの子は
隣で目覚めた