[A]
暗く染まる空
ガードレール下
鈴虫の音が響く
そっと立ち尽くす
僕の視線先
花が一つ咲いていた
[B]
あの頃の僕は純粋で
馬鹿らしいほどに素直だった
[S]
何度も歩いたこの道を
街灯ひとつ 孤独に怯えた
曲がりくねったこの道を
しるべとともに歩いていった
星が導くその先は
いつも僕が寄り添っていた場所
[A]
赤く染まる空
ビルの隙間
暮れていく声が響く
止まることのない
僕の足先
見えぬ花が咲いていた
[B]
今の僕は呆然と
何も見えぬ迷子になっていた
[S]
歩きなれないこの道を
明るさにもまれ 自分を嫌った
いくつも分かれたこの道を
自分の意志で歩いていった
星の見えないその先は
僕自身ですら知りえない場所
[C]
迷ったんだ
走ったんだ
何度も逃げようとした
引き返そうとした
それでも僕は
[LS]
進んでいこうと思った
何も見えなくていい 見えないのなら
自分の声を聞けばいい
星空の下歩いていける
こんな小さな僕だけど
いつか誰かを照らせるように
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