初めて会ったとき 甘いなって
砂糖みたいな 声してるなって
「はじめまして」も「おはよう」も
砂糖一粒の甘さ
出会って三年 初めて言われた
「ずっと前から好きでした」
この世の砂糖 煮詰めても足りない
僕の頭でカラメルが出来そうだ

君の好き 数百回 僕は聴き漏らさず聞いた
君の嫌い 数百回 僕は全て受け止めた
僕の「結婚しよう」 一回 君は頷き泣いた

君が好きな紅茶は アールグレイ
僕はコーヒー ブラック派
彼女は 砂糖を五つとミルクを入れる
差し出された飲みかけの紅茶 僕は一言
「甘いね」
彼女も一言
「甘いでしょ」
僕の苦味は 抹消された


初めて会ったとき お人形かなって
生命(いのち)を与えられたんだって
大きく つぶらな 瞳(ひとみ)
ぷっくりとした唇 幼い顔に
僕はその場で佇んだ
思わず「お茶しませんか?」
人生最大の勇気で言った

君に伝えた「かわいいよ」 数百回
君が答えた「ありがとう」 数百回
君が微笑んだ回数 数百回

初めてのお茶会 大成功
君は最初に紅茶 アールグレイで
次にケーキはアップルパイ
僕はコーヒー ブラックで
ケーキはなしで
甘いのは苦手なんだ
だから君に惹かれたのかも
なんて夢見少女じゃあるまいし
これが僕の初デート 忘れるものか


そのあと彼女は死んだんだ
結婚式の次の日だった
悪魔が僕らを引き裂いた
それから何十年経った?
僕はもう 老いぼれだ

C
携帯なんてあったって 繋がらなきゃ意味がない
文字なんか書けたって 届かなきゃ意味がない
言葉が話せたって 話す相手がいなきゃ意味がない

君への着信 数百件 僕の手元に全部ある
君への手紙 数百件 僕たちの家に全部ある
君への「愛してる」 僕の喉元に溜まったままだ

君が好きな紅茶はアールグレイ
君が好きなケーキはアップルパイ
全部覚えてるよ 忘れるわけがない

最初は声を忘れたんだ 君はどんな声をしていた?
次は顔を忘れたんだ 君はどんな顔をしていた?
君との初デート もう僕は思い出せない

君の声も 君の顔も 君との思い出も
これ以上僕は君なしじゃ生きていけない
甘いも 苦いも 分かち合えない
今から君の元へいくよ 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

君がいなきゃ意味がない(改訂版)

フル用に書き足したものです。

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投稿日:2020/10/24 23:42:56

文字数:928文字

カテゴリ:歌詞

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