潮風が肌を伝う
砂をひと握り掴んでみたんだ
欠けたあの月に照らされる
茶色い髪が夜風になびいた


裸足で歩く海岸は
人気もなく寂しいけれど
澄み渡った海と空
独り占めしているみたいで

あとどれくらい歩こうかな
帰りを急かす人もいないよ
麦わら帽子が欲しいわ
この日差しは厳しすぎる


虚空のキャンバス
飴色の岩
漆黒の尖った何の木

振り向いてはまた歩き出す
何度見ても空は青い

八億と六千の星屑散りばめて
空を舞う大鷲座に乗って
ひまわりの風車息吹きかけて
寂しい手を暑い太陽にかざすんだ


「本当に何もないのね」
そう呟いて少女は行く行く
目的地はないよただ気ままに
この美しい世界と旅する

世界にたった一人残された
人魚の少女白いドレスに
大きな貝と小さな鏡だけ
持って地平線をただ歩く

羊雲の群れ
林檎座の運命
カモミールの香り
白壁の残骸

裸足で歩く無名の大地
細い手で掴んだ愛しい幻


滅ぶ世界と無限の命
私の名を呼ぶ人はもういない
空っぽの空私と同じ
雲と共に流れた千年の時


裸足で歩く無名の大地
細い手で掴んだあの人の影


神様がいるなら名前を読んで
帰るべき居場所を私にください

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

アルメル

閲覧数:87

投稿日:2012/09/18 20:26:56

文字数:510文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました