「ともしび」
片思いの曲、遠目で眺めているだけの、近く勇気もない。だから見ているだけ。僕にとってはともしび。僕の世界を照らしてくれるかすかな光。温かな光。でもそれには、僕は温かすぎてさわれないんだ。

雲が低く流れていく、地平線はビルで見えない。突然襲う通り雨。僕の頬を伝う雫。

ひらり、ひらり、君のともしびが揺れる時、僕は照らされ、そして影を落とす。
ゆらり、ゆらり、君のともしびが揺れる時、僕はかすかな温かさを感じ、そして孤独を感じる。

冷え切った体温で、僕の手は震えている。吐息が白く色づく季節。あの時の雨の冷たさが今も懐かしい。

ひらり、ひらり、あなたの微笑みが揺れるよ
ゆらり、ゆらり、あなたとの想い出が揺れるよ

ともしびに、手を伸ばすこともできない。そばでその光を眺めているだけ。わたしはそれで充分幸せ。暗闇の中にゆらりゆらり、風も吹かないのに、ひらりひらり。

もうすぐ、そのともしびは消えていく。何も残さず、ただ静かに。燃えるものがもう無くなって、消えていく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

『共し灯』の原案

共し灯の原案の文章。

好きだった人がいるけど、その人に近くこともできず、ただ遠くから見ているだけ。そんな恋がゆっくりと消えていく感じ。見ているだけで幸せみたいな。
あんまり切なさとかは少なめ。

閲覧数:78

投稿日:2015/11/07 10:34:05

文字数:442文字

カテゴリ:その他

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