刻も蕩う　夜の街で
　見知らぬ人影　灯篭揺らして
　決して眠らぬ　蝶と踊る　
　“あたしと遊んでいきやんせ”　　



　艶に誘う　甘い毒
　染まる心を　嘲笑う
　愛は憎しみ　恋は嫉妬
　喜劇・悲劇も　同じコト

　嘘は嗜み　お生憎
　全てを笑顔で隠しましょう
　所詮は嘘よ　馬鹿馬鹿しい

　惚れたが負けよ　ここは“天獄”！
　菩薩を装う　羅刹の住処さ
　夜明けの鶏は　眠りの深淵に
　“無粋な言葉は捨てしゃんせ”



　手練手管を　仕込まれて
　泪も武器に　成り果てた
　嘆く暇なぞ　ありゃしない
　“女王蜂”とは　あたしの名
　　
　打算・企み　胸の奥
　優雅な仕草で隠しましょう
　真実は何処に　お気の毒
　
　惚れたが負けよ　それが“天獄”！
　菩薩を装う　羅刹の住処さ
　お兄さんこちら　覚悟は出来た？
　“あたしを讃えて堕ちやんせ”


　一夜限りと　知りながら、なお
　「もしも」を願って　酔いしれ溺れる　
　男手玉に　嘆息尽きぬ　
　“糧といえども愚か過ぎる……”



　―――――*―――――*―――――*―――――*―――――



　ときもたゆたう　◎よるのまちで　/7+7
　みしらぬひとかげ　とうろうゆらして　/8+8
　けしてねむらぬ　◎ちょうとおどる　/7+7　
　あたしとあそんでいきやんせ　/13



　いろにいざなう　あまいゆめ　/7+5
　そまるこころを　あざわらう　/7+5
　あいはにくしみ　こいは(しっ)と　/7+5
　きげきひげきも　おなじこと　/7+5

　うそはたしなみ　おあいにく　/7+5　
　すべてを　えがおで　かくしま(しょ)う　/4+4+6
　(しょ)せんはうそよ　ばかばか(しい)　/7+5

　ほれたがまけよ　ここはてんごく　/7+7
　ぼさつをよそおう　らせつのすみかさ　/8+8
　よあけのとりは　ねむりのふちに　/7+7
　ぶすいなことばはすて(しゃ)んせ　/13



　てれんてくだを　しこまれて　/7+5
　なみだもぶきに　なりはてた　/7+5
　なげくひまなぞ　あ(りゃ)しない　/7+5
　(じょ)おうばちとは　あたしのな　/7+5
　
　ださんたくらみ　むねのおく　/7+5
　ゆうがな　しぐさで　かくしま(しょ)う　/4+4+6
　ほんとはどこに　おきのどく　/7+5

　ほれたがまけよ　それがてんごく　/7+7
　ぼさつをよそおう　らせつのすみかさ　/8+8
　おにさんこちら　かくごはできた　/7+7
　あたしをたたえておちやんせ　/13


　ひとよかぎりと　しりながらなお　/7+7
　もしもをねがって　よいしれおぼれる　/8+8
　おとこてだまに　たんそくつきぬ　/7+7
　かてといえどもおろかすぎる　/13