『見えないバス』


一人始発のバス停 
白くこぼれる溜め息 
腕に目落とし右向く 
バスはまだ見えず     

冷えたベンチに座らず
向かいの歩道見てると
枯れた並木二人で
並んで歩く恋人(かげ)

何度右を見ても 
やって来ないバスを待つ 
先にやって来たのは朝陽

バッグに詰め込んだ
ルージュを塗り直しても 
昨夜の「サヨナラ」を 
口唇(リップ)がまだ忘れていない

あの日交わした約束  
風に消された蝋燭  
二人一つの鍵穴 
“鍵”を見失う

腕で時を示す      
針は今も進むけど
私一人止まったままで

東から射す陽に       
思わず目を細めたら
かざした薬指 
あの日の“約束”が光る

風に閉じた瞼 
過ぎる景色達   
目を開けば 
二度とは見えない

夜明けに溶かされた
心が溢れてしまう
始発のバスはまだ   
来ないで欲しいよ 

滲んでた景色の
隙間に空(あお)が見えても 
二つの夢乗せて揺れてた
バスはまだ見えず


(ひらがなver.)

ひとりしはつのばすてい
しろくこぼれるためいき
うでにめおとしみぎむく
ばすはまだみえず

ひえたべんちにすわらず
むかいのほどうみてると
かれたなみきふたりで
ならんであるくかげ

なんどみぎをみても
やってこないばすをまつ
さきにやってきたのはあさひ

ばっぐにつめこんだ
るーじゅをぬりなおしても
ゆうべのさよならを
りっぷがまだわすれていない

あのひかわしたやくそく
かぜにけされたろうそく
ふたりひとつのかぎあな
かぎをみうしなう

うででときをしめす
はりはいまもすすむけど
わたしひとりとまったままで

ひがしからさすひに
おもわずめをほそめたら
かざしたくすりゆび
あのひのやくそくがひかる

かぜにとじたまぶた
よぎるけしきたち
めをひらけば
にどとはみえない

よあけにとかされた
こころがあふれてしまう
しはつのばすはまだ
こないでほしいよ

にじんでたけしきの
すきまにあおがみえても
ふたつのゆめのせてゆれてた
ばすはまだみえず

ライセンス

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  • この作品を改変しないで下さい
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見えないバス

バイオレット梅さんの作品
「UZ DEMO (歌詞募集中です♪) 」http://piapro.jp/t/Zv3O 応募作品です。

閲覧数:206

投稿日:2012/12/31 17:21:27

文字数:874文字

カテゴリ:歌詞

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