夏は嫌いだ 夕陽は海を見つけて 歪んで
死んだような目をした君の「ありがとう」

―冷夏のせいだって―

電話の向こうから 呼ぶ君の声がした
多分 震えてた 寒い夏 そんな海に 人はいなくて

あの夏の日 君が声に出していた
「寒いね」とか 記憶に縋りついて
溶けた雪と積もる想い 繋いだ手は冷たくなって
冬型の夏風邪を 嗚呼



夜空に手袋 伸ばした先の花火は曇っていく
白い息 包み込む君が呟く

―僕らのせいだって―

電話の向こうから 泣く君の声がした
多分 怖くて 暗い夏 雪が積もる

もう一回

あの冬の日 君が声に出していた
「酷いね」とか 思い出して いつか
終わる夏に君が言った 「太陽なんて無くてよかった」
冬型の夏風邪が まだ


隠れる君に告げた 最後の「もう いいかい?」


いっそ壊してくれ 無意味な理想と今日を
「幸せ」とか 初めから無かったんだ
雪に残る夏の思い出 君にずっと言えていなっかったんだ
「君が好き」だって
今も悴む手を 夜空へ 翳して 夏を探している
もう 零下二度の面影を忘れて
冬型の夏風邪 恋と知らずにいた 嗚呼

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

冬型の夏風邪

思い出したくない出来事って誰にでもある。
それはいつもちょっとしたことで蘇る。
夏なのに寒い、そんな思い出。
いつか忘れられると思いたい、そんな夏。

ラヂオさんの歌詞募集に書かせていただきました。

難しい漢字の読みを書いておきます。

歪んで ゆがんで
縋り すがり
呟く つぶやく
酷い ひどい
悴む かじかむ
翳して かざして

閲覧数:165

投稿日:2016/02/09 18:25:51

文字数:485文字

カテゴリ:歌詞

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