5億年レポート

A
絵空に書き綴る
待ち望んだ朝は
今日も変わらずに
また来なかったと

誰が辿り着ける
声すら届かない
この場でいつ迄
過ごせばいいのですか

（Selene）

B
甘さと弱さが
引き金となり
全てを奪ってしまったの

SX
富など統（すべ）など
意味はなくなる
それでも 『何もない』方が
こわいんだ

SY
崩れる イシュタル
重なる エアビス
渇いた 地面を
眺める二ルガル

A
いつしか紅色（あかいろ）に
錆びて朽ちていった
逸らすこともできない
かつての叡智は

誰が辿り着ける
声すら届かない
この場でいつ迄
吐き出せばいいの

B
誰かと寂しさ（きもち）を
分かち合えることも出来ない
アイの時間

B'
それは何処（いずこ）へ
消えていくの
それは何処へ
送ればいいの

（Selene）

C
喜ぶことも怒（いか）ることも 彼方へ
いずれは 見えなくなる

哀しむことも楽しむことも 久しく
何も感じず堕ちる

SX
花は枯れ
鳥の呟きもなく
風は止み
月の姿も記憶の中

SY
崩れる イシュタル
重なる エアビス
渇いた 地面を
眺める二ルガル

満ちも欠けもせぬ
代わり映えのない
この場であなたを
見届けてゆくの