さまよう

薄塩指数

『さまよう』

車に轢かれるとかあのビルから飛び立つとか
色々と考える　考えるだけなら簡単だから

なにもかも嫌になる　「なにもかも」ってなんだろうな
実は大したことじゃない　大したことじゃないのに簡単ではない

街をゆけば鉄のかたまり　ごうん、ごうん、と大きな音鳴らす
ここじゃ誰かの迷惑になる　誰も聞いちゃいないのに言い訳をしている

線路に寝そべるとかゴミ収集車に飛び込むとか
苦しいのは嫌だから　「苦しい」を避けてきた人生だから

いっそ枯れ草なら最後は灰になれるのに
水を吸って腐っていった心じゃ燃えるはずもない

街をゆけば会いたくもない　かつての職場の上司とすれ違って
物言いたげな目を向けてきたけど　知らない知らない　知らないよ

さまようのはエゴのかたまり　なんとなく死ぬまで生きている
行き場のない黒いかたまり　誰とも目が合わないようにしながら

街をゆけば鉄のかたまり　ごうん、ごうん、と大きな音鳴らす
さまようのはエゴのかたまり　なんとなく死ぬまで生きている

生きている