猫とカボチャの舞曲

朽ち果てたお城に並ぶ”ジャック・オー・ランタン”
灯る赤い蝋燭、刳り貫かれた目と口
行き場を無くした、鬼火の終着点
魔女の悪戯で、今宵は宴

蝙蝠男爵の指鳴らしに合わせて
カタカタ大慌て、小さな小瓶達
白いクロスを敷いて”此処は舞台だ”
さあさあピルエットを始めようか

ワンツーパッセ通り過ぎる
お月様の照らす光
華麗に舞い踊る
ノクターンは烏兎匆々

ランタララ、鼻歌混じりの
黒猫が笑い出す
悪夢に項垂れる
少女が映し出すシルエット
”まだまだネムリタリナイ”

斑に浮かんでる滑稽な王様達
額縁に綴じ込まれ、愚痴を零して始末
ざっくばらんな執事、飛び交う罵倒の嵐
愉快な晩餐会が繰り広がる

狼元帥の鳴き声で"前ならえ”
ガタガタ不器用な鎧兵士の列
真紅のカーペット”拍手喝采大合唱”
眠る王女様はプリンシバル

重なる二つの手の
ダンスは鏡の中
ステンドグラスの照明
鮮やかなストーリーを

高くステップを踏んで
優雅に時間を謳歌
広がるクラシックは今
終端を迎えている

無口な少女の虚ろな目は
語るも無駄な楠んだ青

「ツマラナイ」と戯れ言を繰り返す
私の王子様"早く早く迎えに来て”

ワンツーパッセ、アレグロに響く
音楽が導くドラマ
華麗に過ぎ去って行く
フィナーレは露往霜来

ランタララ、鼻歌混じりの
黒猫が笑い出す
悪夢に項垂れる
憂鬱な唄は

ワンツーシャッセ、特別な日
万聖節の夜は
華麗に舞い踊る
ソナチネに合わせて

ランタララ、鼻歌混じりの
黒猫が笑い出す
悪夢に項垂れる
少女が映し出すシルエット
”まだまだネムリタリナイ”