少年は夢を見た。
色のない夢だ。
誰かが、
「夢は所詮、夢なんだ。」
と嗤った。
少年の中で何かが潰えた。
だけど、未だ、僕は―――。
言葉、繰り返し、書き換える。
時間、ないものねだりで走る。
古びた朝で光ってた。
酷く、深い、ため息に溶け。
「おはよう。」何気もなく呟いた。
「おはよう。」何気もなく返事した。
自分自身に正誤を問う。
『夢に終わりがあったのか?』
子供の頃に見た夢を思い出した。
デタラメなその夢は意外と綺麗で、
暗い明日に縛られ、
昨日を投げ捨てた。
こんな僕に微笑んだ、
憧憬が廃れぬように!
親切な侮辱に感謝を告げたら、
前を向かず歩き出す。
後ろを向いて歩き出した。 嗚呼。
言葉、繰り返し、書き換える。
時間、ないものねだりで走る。
古びた朝で光ってた。
その光に紛れ、叫ぶ。
「今に見てろ!僕が見せてやるからな!」
僕のために、デタラメなその夢に色を染め始めた。
子供の頃、聴いた歌を思い出した。
僕を変えたその歌に憧れ、夢見た。
堕落の日々。
それでもどこかが、汚くなれずに、
『所詮の夢』を見てたようで。
少年は夢を見た。
色のない夢だ。
誰かが、
「夢は所詮、夢なんだ。」
と嗤った。
少年の中で何かが潰えた。
だけど、今の、僕は―――!
暗い明日に縛られ、
昨日を投げ捨てた。
こんな僕に微笑んだ、
憧憬が廃れぬように!
ノートの切れ端の、
幼稚な言葉は、
バカらしいほど優しく。
僕を暖かく壊した。
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