［幽影］

無くしたいこと
ここから消えず
青臭いから
目も当てられず

呪いのように
入り込んで、入り込んで
信じたくても信じられない

傷つくことを避け
誰とも手を繋がず
逃げて
不感症の今更悶える無知な僕
隠すからひたすら秘密

薄まる繋がりに
叶わない僕の衝動
ただ浸る焦燥

心はあの日から進まず
途絶えたまま募る劣等感

溺れた夜に沈みこんで
気づけば僕はひとりぼっち
笑ったその横顔に
また悲鳴に似た感情

歪んだ今を壊したくて
黙って僕は首を絞める
もしも生まれ変われたら
また君は笑ってくれるかな

見つけて(逃れ逃れて)
内向きが離れない
そこにまだいるのに(目を伏せて)
いないふり

澄まして(意味がないのに)
君はまだ気づかない
心の隅っこの(言い逃った)秘密

初めて身に染みる(じわりじわりと)
交わさない
どこかしら蔑む(言われていた)
僕の本性

向き合うこともせず
中身が滲み出ているから

信じなければ信じられない

おいていかれる
また一つ、また二つ
取り残される
いつまでだってあの日のまんま

傷つくこともせず
君にも手を伸ばさず
逃げて
消えてゆく

わからない
感じることもない
機微と君の中の秘密

触れたい
だけど触れられない
また怖くなるから拒む干渉

心はあの日から変わらず
不条理な世界に落ちたんだ

笑って僕を抱きしめて
明日になればひとりぼっち
悲しくなるだけの理想なら
殺してしまおうか

望んだ未来が空っぽ
寂しくなって息も果てる
助けて腐り落ちる前に
でも絡みついたままとれない
僕の幽影