１Ａ
惰性の海に溺れ
浮かぶことすら物憂く思う
沈むこの身を棄てて
進むことさえ択べないまま

１Ｂ
風も光も消えて
されど答えは無くて
彷徨う意味を捜してた
黄金（きん）の黄昏を

１Ｓ
刻み付けた名前を留めずに
砕けた墓標が忘れられたら
溢れた涙に錆び付いて
乾いた爪（ネイル）で深紅を描き出してゆく


２Ａ
墜ちる夕陽を見てた
紅い唇カラカラにした
辿り着けないままに
それじゃ孤独は救えないから

２Ｂ
愛の言葉は消えて
何も形は無くて
最初の夜に抱き締めた
永遠（とわ）の星影よ

２Ｓ
絡み付いた明日に怯えてる
癒えない昨日が追いかけてくる
震える鼓動は慟哭の
狂った律動（リズム）が躰を突き動かしていた


３Ｓ’
刻み付けた名前は憶えてる
朽ちてく墓標を忘れないから
溢れた涙も振り捨てて
乾いた爪（ネイル）で深紅を描く
絡み付いた明日を怖れない
暗闇の奥へ躰ごと投げ出してゆく



【読み仮名】

１Ａ
だせいのうみにおぼれ
うかぶことすらものうくおもう
しずむこのみをすてて
すすむことさええらべないまま

１Ｂ
かぜもひかりもきえて
されどこたえはなくて
さまよういみをさがしてた
きんのたそがれを

１Ｓ
きざみつけたなまえをとどめずに
くだけたぼひょうがわすれられたら
こぼれたなみだにさびついて
かわいたねいるでしんくをえがきだしてゆく


２Ａ
おちるゆうひをみてた
あかいくちびるからからにした
たどりつけないままに
それじゃこどくはすくえないから

２Ｂ
あいのことばはきえて
なにもかたちはなくて
さいしょのよるにだきしめた
とわのほしかげよ

２Ｓ
からみついたあしたにおびえてる
いえないきのうがおいかけてくる
ふるえるこどうはどうこくの
くるったりずむがからだをつきうごかしていた


３Ｓ’
きざみつけたなまえはおぼえてる
くちてくぼひょうをわすれないから
こぼれたなみだもふりすてて
かわいたねいるでしんくをえがく
からみついたあしたをおそれない
くらやみのおくへからだごとなげだしてゆく