黄昏 街の跡 疎らな木々、躯(むくろ)
西方 煉瓦色 城郭影を為す
文明入り日見て 幾年幾世紀
遺灰も尽きる頃 目覚めた -spellaliba-

人を探せど何処も気配無く
小さな教会はまるで瓦落多場(がらくたば)
愛を記した古い福音書
風に捲られ 誰を待っているの?

瓦礫を踏み 歌うのは
誰ももう知らぬ讃歌

行き交う風 歌を乗せ
砂を吐き 彼方へと響け


黄昏 街の跡 煤けた道独り
記憶を辿るけど風に吹かれるだけ
身体が錆び付けど 言葉が痩せ枯れど
今もこの歌には祈りが宿っている

満ちた月は黄金に耀き
街は今 静かに抱かれ美しい色
独り 傾国の果てで
何度でも何度でも 祈りの歌を今 奏でよう

この教会に祈る人も消えた
然れど尚、瓦礫を縫って光は注ぐ
この身朽ち逝く時まで
何処までも何処までも 永遠(とわ)を夢見て
歌おう 歌おう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

spellaliba -機械仕掛けの讃歌-【♪】

木もれ日さんの楽曲に宛てて
https://piapro.jp/t/M9hg

──朽ち落ちた街で目覚めた、機械歌姫──
歌に込められた祈りは継がれるのだろうか?
そう考えながら書きました。

niconico https://www.nicovideo.jp/watch/sm37686020

・spellaliba(すぺらりば、の読みで想定しています。造語に近いです。)
spell(綴る)や、gospel(福音)の語源「spella」と、life(命)の語源「liba」を合わせ、機械の名前としてそうぞうしました。

2020/02/05 歌詞を校正・更新致しました。

閲覧数:424

投稿日:2020/02/05 22:51:51

文字数:376文字

カテゴリ:歌詞

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