寒梅香
C2 004
冬の終わりに咲く華の
匂いほのかな夜
A 018
ひと夜 火と燃え盛り
恋の終わりなど見もやらず
ふた夜 ふと振り返る
移り香の在り処を
B 045
せがんでも せがんでも
とどめる間もなく過ぎて
春はもうじき
散る時期を知りて咲き誇れ
C1 113
はらはら落ちる花びらに
我が身摸しては吐息をつく
C2 126
ほろほろ落ちるこの涙
いつか忘れるはず
A 140
ひと夜 夜は深くなり
情け無さげにとすげなくも
ふた夜 夜半の月陰
フリをあばかないで
B 207
是非もなく 是非もなく
巡る季節の理
雪は名残と
降るほどに解けて水となる
C1 235
凛と伸ばした首筋を
哀れと思うな なぞる風
C2 248
例え儚い逢瀬でも
残す香はあるもの
B 302
散り敷いて
散り敷いて
雪に紛う華の影
今宵限りと
香りの全てを焚き染める
C1 330
春の始めに咲く花の
開く音にふと目を覚ます
C2 343
袖に残した残り香よ
華は冬に消えた
* * *
C2 004
ふゆのおわりにさくはなの
においほのかなよる
A 018
ひとよ ひともえさかり
こいのおわりなどみもやらず
ふたよ ふとふりかえる
うつりがのありかを
B 045
せがんでも せがんでも
とどめるまもなくすぎて
はるはもうじき
ちるときをしりてさきほこれ
C1 113
はらはらおちるはなびらに
わがみもしてはといきをつく
C2 126
ほろほろおちるこのなみだ
いつかわすれるはず
A 140
ひとよ よわふかくなり
なさけなさげにとすげなくも
ふたよ よわのつきかげ
フリをあばかないで
B 207
ぜひもなく ぜひもなく
めぐるきせつのことわり
ゆきわなごりと
ふるほどにとけてみずとなる
C1 235
りんとのばしたくびすじを
あわれとおもうな なぞるかぜ
C2 248
たとえはかないおうせでも
のこすかはあるもの
B 302
ちりしいて
ちりしいて
ゆきにまごうはなのかげ
こよいかぎりと
かおりのすべてをたきそめる
C1 330
はるのはじめにさくはなの
ひらくおとにふとめをさます
C2 343
そでにのこしたうつりがよ
はなわふゆにきえた
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