潮風に 煽られ
花弁が 一枚
ゆらゆらと 揺らめき
青い涙 を 待ちわびて 散り去った
白い月の 白い光
此方(こちら)へ 向かう 人を照らした
汝(なんじ)に問う 覚悟の程
命に代えても 力が欲しいか
Ah….
想い出を 振り切り
ただ一度 頷き
花弁を 包んで
試される 相応しい 者 なのか を
鋭い棘 指に刺さる
青い涙が 地面に落ちた
白い我(われ)は 強い光 放ち
空へと 一筋 ライン を 描いた
白き世界 色を欲(よく)し
破滅へ 向かった 悲しき 歴史(かこ)
汝(なんじ)ならば 変えられると
希望を 託した さあ 此方(こちら)へ
扉を開け 時空を 越え
世界を 変えてと ただ 叫んだ
冷たい風 舞う花弁
それは 我(わたし)の 最期の 一欠片(ひとかけら)
End of the white rose
舞台は色を失いかけている世界。
浜辺の隅にある小さなローズガーデン。
ここで白い薔薇はずっとずっと待ち続けていた。
心から世界を救いたいと願っている者=青い涙を流す者
ある夜、その男は月明かりに照らされながら現れた。
白い薔薇は問う。命を掛ける覚悟はあるか?
男は頷き花弁を包む。
相応しくなければその場で棘の痛みに耐えきれず
涙も流すことなく死を迎える。
そんな試練に男は立ち向かったのだ。
男は青い涙を流し薔薇は強い光を放つ。
そしてまばゆい光の中から時空の扉が現れた。
過去の過ちを止めて、色を取り戻して。
白い薔薇はそんな願いを男に託しながら
最期の花弁を散らしていくのであった。
end
長編戯曲のとある一章
「End of the white rose」
というような感覚で造りました。
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