キュビスム


懲りずに卵は呻いてる
まだ自分が何かも分からずに
視線が交わる地平線
その彼方と此方のマリアージュ

Who am I ?　私は誰 ?
継ぎ接ぎした自画像が
Who are you ?　貴方は誰 ?
不気味な聲を漏らす

１２３(いちにのさん)で私が消えてゆく
逆立ちしたピエロが法螺吹いた
割れた鏡　踏み踏み踊り出す
迷い込んだ自意識ラビリンス


震えた卵のひび割れが
今　蜘蛛の巣みたいに広がって
終わりの見えないギニョールの
ただ虚ろな会話を聞いていた

Who am I ?　私は誰 ?
気まずさだけ引き摺って
Who are you ?　貴方は誰 ?
強制されたイデア

傷だらけの魂　吹き零れ
感情は在りし日の蜃気楼
泡沫と手を繋ぎ影遊び
ペシミストな私が見つめてる


１２３(いちにのさん)で私が消えてゆく
要素分解された成れの果て

改竄された自己の組成式
私の中で眠るリアリズム
パレットにへばり付く違和感を
塗りたくる私の一人芝居

私が誰で貴方が誰かなどどうでもいいの
分裂していく視線の糸を手繰り寄せても
世界は殻の外で蠢いては形を無くす


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こりずにたまごはうめいてる
まだじぶんがなにかもわからずに
しせんがまじわるちへいせん
そのかなたとこなたのまりあーじゅ

ふーあむあい　わたしはだれ
つぎはぎしたじがぞうが
ふーあーゆー　あなたはだれ
ぶきみなこえをもらす

いちにのさんでわたしがきえてゆく
さかだちしたぴえろがほらふいた
われたかがみ　ふみふみおどりだす
まよいこんだじいしきらびりんす


ふるえたたまごのひびわれが
いま　くものすみたいにひろがって
おわりのみえないぎにょーるの
ただうつろなかいわをきいていた

ふーあむあい　わたしはだれ
きまずさだけひきずって
ふーあーゆー　あなたはだれ
きょうせいされたいであ

きずだらけのたましい　ふきこぼれ
かんじょうはありしひのしんきろう
うたかたとてをつなぎかげあそび
ぺしみすとなわたしがみつめてる


いちにのさんでわたしがきえてゆく
ようそぶんかいされたなれのはて

かいざんされたじこのそせいしき
わたしのなかでねむるりありずむ
ぱれっとにへばりつくいわかんを
ぬりたくるわたしのひとりしばい

わたしがだれであなたがだれかなどどうでもいいの
ぶんれつしていくしせんのいとをたぐりよせても
せかいはからのそとでうごめいてはかたちをなくす