誰かが泣いたのは
名前を忘れたから

何処かで聴こえるのは
波に焦がれた詩

誰かを笑うのは
体を亡くしたから

海の底に身を沈むのは
光の見えぬ魚

呟く 息を吐く 湿った部屋で
よろめく羽音 耳を齧る

かさばる記憶に夢は埋もれて
夜は止めどなく

この雨はあなたのため
引くことのない痛みを癒すアスピリン

冷たく濡れた木々に寄り添って
鳥は微睡む

渇いた青い実は朽ちるのか
その種を残すのか

全て受け入れたなら
報われるはずなのに

扱いきれない言葉を
胸に縫い付けたまま

何も伝えられぬうちに通り過ぎた
音も立てずに

目覚める 瞬く 汚れた窓に
しみ込む陽射し 埃を溶かす

持て余す時間も眠りを解かれて
廻る

あの空はあなたのため
叶えられない願いを映すフォトグラム

行く宛てのない雲の切れ端も
形を移ろう

透明に広がり薄れた溜め息の水蒸気は
希望を連れて消えそうで

熱に浮かされ咲き終えた花が
祈る様に俯いてる

手に残された僅かな口実を
言い聞かせて不確かな明日を繋いでゆく

不意に囚われる果てしのない問いは
真実の顔をして人を揶揄う

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

沈める梟

オリジナル曲「沈める梟 初音ミクAppend」の歌詞です

閲覧数:280

投稿日:2016/11/25 23:35:22

文字数:484文字

カテゴリ:歌詞

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