かつては平和に満ち溢れていた
今や魔物がはびこる荒野に成り果てた

こんなご時世に「勇者」だなんて　なんてまあ
大層なお仕事引き受けちゃって

かつての平原横切った先
道行く魔物は一刀両断
街では毎度御馴染みな歓迎
「勇者」だって同じ《人》なのに…

剣（つるぎ）振り回しながら　現世（此処）に居ぬ母を思い出し
魔法を放（はな）っては　「魔物殺し」（ハンター）の異名付けられ
伝説みたいな　勇者なんて何処にもいないのよ
ただあたしみたいな　「物好きさん」がいるだけよ


踏み入る禁断の大地
荒れ果てた　世界の終わりはこんな感じなのかな

進めど進めどボス（アイツ）には近づけない
雷（いかずち）が曇天の空を切り裂く

これまで失ってきた　数多くの仲間に敬礼（笑笑）
あたしなんかのために　命を落とすなんて
何て滑稽　思わず笑っちゃうわね
「勇者」の望みなんて知らない仲間（馬鹿共）


「勇者」の願いはたったの一つ
『魔王サマに殺されたい』がため
わざわざ「勇者」になったフリして
そろそろバッドエンディングね


これまで失ってきた　数多くの仲間に敬礼（笑涙）
あたしなんかのために　命を落とすなんて
何て滑稽　思わず笑っちゃうわね
「勇者」の望みなんて知らなくていいの

でもねこの世界　魔王（あんた）なんかには渡さない
あたしと一緒に　三途の向こうへ逝きましょうよ
こんなあたしでも　この世界は嫌いになれない
せめてもの土産　「勇者ごっこ」は楽しかった