愛しいあなたは 剣たずさえ出かけて行った
最期の口づけひとつ 私に残して
数多の命と幾多の血潮
こぼれ落ちた大地を紅く染め上げて
狂おしく求め続ける心に
嗚呼 答える声なくて
あてどなく彷徨える魂よ
在るべき場所へ帰れ
綻んだ花もいつかはやがて 散り逝くように
終わりのないものなど この世にはなくて
戦の足音 近くに響く
滅びるのも又 定めなれば
燃えさかる炎の中に揺らめく
嗚呼 愛しい日は遠く
いつの日か再び会えるならば
又、あなたと二人・・・
(よみがな)
いとしいあなたは つるぎたずさえでかけていった
さいごのくちづけひとつ わたしにのこして
あまたのいのちといくたのちしお
こぼれおちただいちをあかくそめあげて
くるおしくもとめつづけるこころに
ああ こたえるこえなくて
あてどなくさまよえるたましいよ
あるべきばしょへかえれ
ほころんだはなもいつかはやがて ちりゆくように
おわりのないものなど このよにはなくて
いくさのあしおと ちかくにひびく
ほろびるのもまた さだめなれば
もえさかるほのおのなかにゆらめく
ああ いとしいひはとおく
いつのひかふたたびあえるならば
またあなたとふたり
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