【S1】
ひらひらと舞うハツユキ

見馴れた街を
白く包んでいく

今までの光景も
感じていた温度も

いつもと少し違う
明日(あす)に心ときめかせ

一歩一歩前へ

【A1】
街はいちめん銀世界
凍てつく風が頬かすめる

最寄り駅の向こうから
白い吐息(いき)を吐きながら

走ってくる
キミをみつけた

【B1】
息を切らすキミの手を
とっさに握りしめた

初めて繋いだ手と手は

疲れで震えるキミの手と
緊張で震えるボクの手が……

【S2】
ひらひらと舞うハツユキ

交わり(かさなり)あって
つもり積もっていく

時間(とき)がたつにつれ
だんだんと層になり

固く結ばれていく
僕らキズナ深めていく

【A2】
はしゃぐ二人はいつまでも
周りも気にせず肩寄り添って

「ずっとずっと一緒だよ？」
赤らめた頬を隠す

小さな両手
あえかなキミを

【B2】
不意に抱き締めて
お互いの存在を感じる

照れ隠し歩いた雪上

歩幅の小さなキミの足跡に
歩幅が広いボクの足跡が……

【C】
敷き詰められた
白のカーペット

柔らかく 優しく 包み込む
ミルフィーユのように

【S3】
積もり積もったハツユキ

見馴れた街を
白く包み込んだ

今までの景色も
感じていた温度も

いつもと違う世界
明日(あす)に胸をおどらせて

【S4】
伸びたふたつのカゲロウ

描かれていない
ふたりの行く先に

不安 不満 苦難
どんな壁があろうと

決して手は離さない
ボクは心から誓う

ユキ降りしきる空に