無花果の紅(あか)の如く
現の深く穢れを知れば
隠されし言ノ葉すらも
嘘を纏い沈むだけ
望む夢を星に託し
夢魔にどう足掻こうとも
此処に無い純潔は
嗚呼　其処に有るの
町の色は
激しい程に無情で
唯　一つきりの思い
届きはしないけど

幸せに観得ました
巧く隠せていました
貴方に吐く最大の嘘
気付かないで下さい
『貴方が全部だから』
この世は蔭の闇

かすみ咲く春のほとり
眩く空遠く仰げば
落胆のため息交じり
嗚呼　夢の終わり
これ程に
涙が零れたならば
届いたって良いでしょう
ねぇ
気付いていたの

始まりを消したい
さすれば終わりもない
身が叫びを上げています
水面に揺らいでる
ふたりは草の様
決して触れ合えない

…このまま終わりなの
このまま独人なの
ならば終止符を挿して

幸せに観得ました
巧く隠せました
貴方に縋る故の嘘だから
忘れないで下さい
『ずっとこのまま』
この胸に懐き

私は愛してました
貴方がそっと中に
花を生ませてくれた時から
これからの日々から
きっと産まれてくる
ちいさな幸せ
この町は泡沫