密やかな微熱

026
シグナルは　点滅を　
繰り返し　危ない予感する
今はまだ　引き返す　
ことできる　はずなのにね
人波の　向こう岸　　
あなただけ　見つけてしまうのよ
感じてる　この熱は　
誰のもの　なのかしらね

058
(早い鼓動)　 まだ今はね
(潤む瞳)　 わからないわ
(渇いた喉)　 もうしばらく
(爪を噛んで)　このままでいさせて

114
独りでは　寂しいと　
思い出す　その時まではね
その腕が　無意識に
私だけ　求めて
穏やかな　おしゃべりを
紡ぎだす　その時が来たら
落ちてゆく　予感する
約束は　しないけど

154
街角の　ウインドウ
影だけが　触れ合いすれ違う
距離がなく　なる日まで
どれくらい　未来かしら
立ち止まる　ゼブラゾーン
曖昧な　安全地帯なの
風に揺れ　頼りなく
シグナルを　見上げている

226　
(染まる頬に)　 強がりだけ
(指を当てて)　 並べ立てて
(熱いわねと)　 帯びた熱に
(そっぽ向いた)　目のふちがカユイわ

242
今はまだ　未完成　
甘くない　果実のようだわ
おいでよと　呼ばないで
青いまま　落ちたら
熱はきっと消え失せる
そんなのは　許せやしないわ
ズルイわと　睨むのも
もう少し　おあずけね

330
(独りぼっち)
(おいてけぼり)
(そんな未来)
(見たくはない)

346
進めとも　止まれとも
シグナルは　スクランブルだわ
訳知りの　顔をして
前を向く　それだけ
気付くかな　唇に
ちょっとだけ　赤味が差してる
秘密なの　この微熱
内緒なの　ほんのりね

　　　* * *

026
シグナルわ　てんめつお　
くりかえし　あぶないよかんする
いまわまだ　ひきかえす　
ことできる　はずなのにね
ひとなみの　むこおぎし　　
あなただけ　みつけてしまうのよ
かんじてる　このねつは　
だれのもの　なのかしらね

058
(はやいこどう)　まだいまはね
(うるむひとみ)　わからないわ
(かわいたのど)　もうしばらく
(つめおかんで)　このままでいさせて

114
ひとりでわ　そびしいと　
おもいだす　そのときまではね
そのうでが　むいしきに
わたしだけ　もとめて
おだやかな　おしゃべりお
つむぎだす　そのときがきたら
おちてゆく　よかんする
やくそくわ　しないけど

154
まちかどの　ウインドオ
かげだけが　ふれあいすれちがう
きょりがなく　なるひまで
どれくらい　みらいかしら
たちどまる　ゼブラゾーン
あいまいな　あんぜんちたいなの
かぜにゆれ　たよりなく
シグナルお　みあげている

226　
(そまるほほに)　 つよがりだけ
(ゆびおあてて)　 ならべたてて
(あついわねと)　 おびたねつに
(そおっぽむいた)　めのふちがカユイわ

242
いまわまだ　みかんせい　
あまくない　かじつのようだわ
おいでよと　よばないで
あおいまま　おちたら
ねつわきっと　きえうせる
そんなのわ　ゆるせやしないわ
ズルイわと　にらむのも
もおすこし　おあずけね

330
(ひとりぼっち)
(おいてけぼり)
(そんなみらい)
(みたくわない)

346
すすめとも　とまれとも
シグナルわ　スクランブルだわ
わけしりの　かおおして
まえおむく　それだけ
きづくかな　くちびるに
ちょっとだけ　あかみがさしてる
ひみつなの　このびねつ
ないしょなの　ほんのりね