薄暗い水の底から水面に手を伸ばす
日の光が反射して屈折して揺れていく
泥の中に埋まって身動きも出来ないのに
なんでこんなに綺麗なんだろう

エビに掘られ貝が埋まりヒラメが擬態する
逃げる小魚が巻き上げた砂粒が落ちる頃
波紋の隙間に月が弾けてゆらゆら波打つ
魚たちは月の丸さを知ってるのかな

光はまだ届く?それとも漆黒?
泥の斜面を滑り落ちるように
波紋すらもう忘れるほどに
このままこの目も退化しそう


仄暗い海の下から水面は見えなくて
ひたすら灰のようなマリンスノー落ちてゆく
深海魚みたいに目玉が発達したって
小さく降る雪が見えるわけじゃない

徐々に重みを増していく海の圧力が
骨も細胞も潰して今にも消えそうだよ
冷たい暗い何も無い世界なのに
いつしか不思議な生き物に囲まれる

命はまだ巡る?それとも暗黒?
大連峰を逆さに上るように
呼吸すらもう忘れるほどに
このままこの身も圧縮されそう


雪の日の水面は星が降るように瞬き
雨の日の水面は星が浮かぶように弾ける
私の声は泡になって空に消えて
私の涙は粒になって底に落ちた

落ちるところまで落ちて
海の全てを受け止めても
押し潰されて消えそうでも
こんなの安らぐのは何故かな

そうして私は海になる
このまま沈んでこのまま溶けて
またどこか遠くへとへ巡っていく
いつか降る雨はもしかしたら

消えた私の欠片かも

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ミナモトミナソコ

閲覧数:179

投稿日:2021/07/23 22:07:51

文字数:588文字

カテゴリ:歌詞

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