『御奉り心中』


（011～）
千鳥足狂いバケモノ通りへ
ひらかれた闇はー

（023～）
燦然と紛れ
そうさ常世の騒ぎ
詮の無い虚を並べ
今日も賑わう灯り
よいせっ


（044～）
暗闇から急がせる魑魅魍魎達の宴よ
腰抜かして余裕無く丸呑みさ　目の前暗転模索中

（101～）
しきりに足掻く通りゃんせ
酩酊し　迷走し　かいつまんだ丑三つへ
轟く何かに足を取られ
まだかまだだ駄目かもういいでしょ
狐が笑った

（118～）
今宵　売られ案内人は
檻の中から絶命
にっちもさっちも仕方が無いな
もう御奉りしなさいな
どうせ戻れはしないでしょ
袖を引かれた鬼子が哭いた
どうにもこうにも葬り遊び
誰が負けた

（157～）
輿入れから粛々と晴れ間の雨の災い祝辞
巻き込まれて訳も無く道連れだよ　足元掬われオシマイさ

（215～）
色めき立つ罪の品（しな）
どっちらけって棒に振っちゃえば
あれもこれも欲しくなる
奪え　攫え　傍若無人
世捨て人よ

（230～）
今宵　飼われ介錯人は
鎖千切って逃走
にっちもさっちもテンテコ舞いだ
もう三行半（みくだり）しなさいな
どうせ離れはしないでしょ
愛を吸われた人魚は喰われ
どうにもこうにも生贄遊び
誰が死んだ

（307～）
価値の無いお祓い人（びと）
檻の中から絶叫
右左（みぎひだり）　解らないから
もう見捨ててしまいなよ
どうせ帰る気はないでしょ
俗世を忘れた神様失せた
どうにかこうにか手遊（てすさ）び占（せん）じ
何が迷いー
さぁさぁ　売られ案内人は
檻の中から絶命
にっちもさっちも仕方が無いな
もうお配りしなさいな
どうせ戻れはしないでしょ
袖を引かれた鬼子は消えた
あちらこちら御奉り騒ぎ
何が勝ち
誰が負けた