[大嘘鳥の鳴く方へ]

伸びてく影を繋いで離して
僕らは駆けた 疲れるまで
5時の時報がメロディを響かせた その向こう
舞い翔ぶ姿に目を奪われた
沈みゆく空のまた遠く
謎めく翼で僕らを連れてゆく
大嘘鳥の鳴くほうへ ああ

疲れて歩く人波にまぎれ 
今日も変わらぬ溜め息が落ちる
ビルを照らした夕焼けの赤が 
わずかに街を煙らす
5時のチャイムが何故か耳につき 
訳もなく空を眺めてた
華やぎだした黄昏の最中 
突然音が止まった

視界が転がり そして気付く
「あの日の空を僕は見ている」
虫のさざめきを その身に溶かした 
こんな紅い空だった

君とかくれんぼ 見つからなくて
そのうちどこかへ 消えてしまった
君と鬼ごっこ 捕まらないままで 
その先は
思い出のように消えてしまった
届かない頬の熱を残して
瞼を閉じても未だ消えずにいる
大禍時の残響が ああ

明くる朝から僕は目が覚めた
身を縛るものすべて捨てて
憂いの色が全て消え去って
夜空で紅くはじけた
はじけた紅はやがて形を成し
夕焼け色の鍵が浮かんだ
お伽噺でも奇跡でもない
必然なのだとわかった

暮れゆく街を見下ろし 一人
5時のチャイムが別れを告げる

「忘れ香の日々よ」「これでさよならだ」
紅い鍵を捻じり込む

虫のさざめきが空を包んだ
舞い上がる風に土の匂いがした その向こう
大きく手を振る君が見ていた
いつもと変わらぬ紅をまとい
夏雲のように白く笑いながら 手招いた

伸びてく影を繋いで離して
僕らは駆けた 疲れるまで
5時の時報がメロディを響かせた その向こう
舞い翔ぶ姿に目を奪われた
沈みゆく空のまた遠く
謎めく翼で僕らを連れてゆく
大嘘鳥の鳴くほうへ ああ

ライセンス

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[大嘘鳥の鳴く方へ](歌詞)

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投稿日:2016/10/24 05:18:31

文字数:724文字

カテゴリ:歌詞

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