ジャケット

題 「本物のツバサ」



たとえそれが 蝋で出来た
偽の翼で あるとしても
太陽さえ 超える気持ち
本物にも 負けはしないよ

A
悲しく 苦しく 暗い闇の中で
おびえて凍える身に 
ひとつ射した光

B
鈍る指で 抱いた炎が
僕を導いていく


たとえそれが 人の笑う
幻の灯(ひ)で あるとしても
指を照らす 光の先
見つけた羽を 握りしめるよ


A
時間は 過ぎゆき めぐる季節でさえ
焦りに変わっていく
それは 檻の中

B
目に映るものは 汚れきった手と
高い窓の 陽光(ひかり)


たとえそれが 蝋で出来た
偽の翼で あるとしても
空を目指し 造り上げた
その思いが 天を焦がすよ


たとえそれが ああイカロスの
蝋の翼であったとしても
太陽まで飛べる気持ち
本物にも 負けやしないよ


翼広げ 風に向かい
胸を張って 一歩踏み出し
宙に浮いた 空に舞った
広がる風が 君の現実

掴んだ空が 君の真実



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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

本物のツバサ

wanita さん(http://piapro.jp/wanita28)の詞「本物のツバサ」を,混声三部合唱曲にしました。
旅立ちの場面にあるものは,おそらく希望ばかりではありません。目の前の現実が,過酷なものをわたしたちに突きつけてくることもあります。わたしたちの翼が偽物だと宣告されたとしても,奮い立って羽ばたかなくてはならない,それは宣告以上に過酷かもしれません。しかも,それが末に本物の翼になる保証もありません。それでもわたしたちは,羽ばたかなくてはならないのです。
これは,旅立ちの,希望と,その表裏一体にある厳しさとをうたう,卒業する人自身への,また,卒業する人に贈る歌,です。
(2011.07.24)

各声部の音域は,次のとおりです。
 - ソプラノ:B3~E5
 - アルト:G#3~C#5
 - 男声:B2~E4

「同人音楽の森」より楽譜をダウンロードしていただけます。
  http://www.dojinongaku.com/contents/goods_detail.php?goid=9323
こちらもご利用ください。

【改版履歴】
2011.07.24 初版
2011.07.24 2 回めのサビを男声中心に構成し直しました。

閲覧数:1,287

投稿日:2011/07/24 21:11:22

長さ:04:58

ファイルサイズ:5.7MB

カテゴリ:音楽

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  • 歌詞・カードジャケット作品1

  • wanita

    wanita

    ご意見・ご感想

    楽譜、参考音源ともに、ぜひお願いいたします!
    実はちょうど「巡音ルカ」を導入しようと考えていたところでした。

    どんな曲を歌わせようか迷っていたところに、なんと自分の詩をもとに混声三部合唱を作曲して頂いて、これは良いめぐり合わせだと思ったところでした。

    作曲のお話を頂いたとき、「どんな曲になるんだろう、3ヶ月先かな……」と思っていたところ、なんとその日のうちに曲が上がってきて、驚きつつも嬉しかったです。
    中学高校と6年間吹奏楽部に所属していて、曲のアレンジも行っていたので、言葉に合う音の進み方を考えることがどれだけエネルギーを必要とするか、少しですが、解ります。
    ですので、世の中に数ある卒業の詩の中から「厳しい現実に立ち向かう泥臭い卒業」を拾って育てていただき、なんとも感無量です。楽譜を頂いたら、大事に歌っていきたいと思います。

    2011/07/27 00:59:27

  • wanita

    wanita

    ご意見・ご感想

    さっそく聴きにきました、作詞のwanitaです。
    海原に漕ぎだして渡っていくような8分の6拍子、広がるようなハーモニーに、泣きそうになりました。そして、この歌詞を書いた頃の、かすかな希望と、目指したひとつの夢を絶たれた思いと、先行きの不安の入り交じる気持ちを思い出しました。
    曲もさることながら、解説が詩を書いた頃の私の心情を見事に言い当てていて、驚きました。

    相変わらず人生の船を漕ぐ手にかかる波は重たいですが、頑張ろうと思います。
    この旋律を聴いて、頑張ろうと思えました。ありがとうございます!

    2011/07/24 19:36:37

    • すたじお ぱぷりか

      すたじお ぱぷりか

      ありがとうございます。
      ひとつ,お詫びしなければいけません。曲をつけることをお伺いに上がったとき,すでに曲はほぼできあがっていて,最後の手直しの段階でした。もっと早くにお伺いを立てるべきだったのですが,完成のめどが立たないのに制作を宣言する勇気がありませんでした。だとしても遅きに失しておりますが。

      詞は相当に読み込みました。この,翳と厳しさとを負った「卒業」を,どんなメロディとハーモニーに乗せるのか,だいぶん考えました。

      それから,当方の環境では,VOCALOID 歌唱などを作成することはできません。(VOCALOID でも肉声でも)歌唱入り音源をご希望の場合は,相応の環境を整えられている方に依頼なさってください。ご判断はお任せします。
      代わりに,といっては何ですが,楽譜をご用意できます。これまでの作品の楽譜も,歌っていただけるよう,参考音源とともに公開しております。ご希望であればお返事いただければと思います。

      2011/07/24 22:05:50

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