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夜中に書いた手紙は
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儚く 消え入りそうな 夢を抱いて
ひとりの部屋 書いた手紙
シネマの 終わりのような 黒のなかに
スタンドライトひとつ 灯して
あなたが 好きです あふれる 想いに
痛みさえも 愛しく思うほどに
あなたの 笑顔や 素敵な 仕草を
瞳の奥 描いて 抱きしめ ああ…
夜中に書いた手紙は 出せないまま
時の河は 流れてゆく
けれども セキララ過ぎる 言葉一つ
棘のように あなたを 刺したい
◇
夢より深きは 心の密林
恥ずかしさを 脱ぎ捨て 駈けてゆくの
穢れを知らない 真白(ましろ)な便箋
にじむほどの想いで 汚して ああ…
夜中に書いた手紙は 破り捨てて
時の河に 流しましょう
けれども 焼け付くような 言葉一つ
明日の朝も この身に 隠して
いつの日にか あなたに 届けて
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