「貴女を愛しています」
頬紅くして告げる貴方に
籠の中の飛べぬ鳥
唯手を伸ばし、堕ちる。


揚げ代一両二分と、御祝儀で十両と
そして売られる私の身体は誰の物?
花魁道中其の最中
見上げる蒼い空踊る鳥
自由にどこまでも飛べるの。

「貴女を迎えにいく」と
そう真っ直ぐに告げる貴方の
其の言葉だけを頼りに
籠の中で、藻掻いて生きる。

曽根崎の恋の行く末
知る由なども無くて。


身請けに一千両、貴方に払える筈も無く
ほんの些細な逢瀬
其れだけで幸せ。

此の手が触れる其れだけで
生きて往けると、信じてた。
貴方に逢えぬ余生なんて……。


「僕と共に最期まで」
言葉がなにより嬉しくて
籠の中の飛べぬ鳥は
籠から羽ばたいて堕ちるわ。


「貴方を愛しています」とは
言えない弱い私だけど
二人を繋ぐ朱い紐
其れが何よりの証なの。

此の世も名残世も名残、
最期に貴方と夢を。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

曽根崎の恋に憧れて

さびしんぼうPの作品に歌詞を付けさせていただきました。http://piapro.jp/t/gyDA

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投稿日:2012/01/11 14:02:00

文字数:391文字

カテゴリ:歌詞

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