「忘れないで」 囁く君
「忘れないよ」 小指絡めて
白い部屋で風に揺れる
咲いた花は あの空の色

目蓋を閉じている 眠るひと
名前を呼んでみて 視線が合い
ふたり笑い合う

この身に手繰り寄せたその身体は
こんな傍で温もりをくれるのに
一歩一歩迫ってる
届かぬ願いだけが置き去り


「忘れないで」 微笑む君
「忘れないよ」 涙した僕
「どんな時もその笑顔を」
繰り返して 頬を濡らした

誰にも渡せない記憶たち
冷たくなっていく軽い身体
ねぇ神がいるのなら……

この身に手繰り寄せた細い腕も
耳に触れた息はもう 彼方へと
僕は今も此方まで
叶わぬ想いだけを残して

ひとつひとつ零れ落ちてく
君にはない明日

名前を呼んで 返らぬ声
甦ればどれ程の幸せか
僕は今も此方まで
届かぬ願いだけを残して

抱き締めていたあの身体も
耳に触れたあの息も彼方へと
ずっとずっと鮮やかに
留まり続けている昨日に

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

勿忘草

こちらの楽曲(https://piapro.jp/t/eGIW)に寄せて。
勿忘草の花言葉「私を忘れないで」をストレートに歌詞に乗せ、そこから生み出されるストーリーが浮かぶよう直接的な表現で書いてみました。
字数の過不足がありましたら調節しますので、ご相談ください。

前のバージョンに平仮名バージョンと字脚があります。
歌詞にある「此方」は「こちら」ではなく「こなた」と読んで下さい。

閲覧数:274

投稿日:2018/11/04 18:19:09

文字数:402文字

カテゴリ:歌詞

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