嬾惰に小夜更く京を『通りゃんせ』
数多の嫣然な花が誘う

「遊んでくんなんし 享楽をしなんす?」

香を焚いて糜爛と断琴の交わり
乱れ咲く紅芙蓉 嗜癖の成す儘に
一二三と指折り数えた月日
伏籠で飼い殺す片翅の蝶々

擦れ合い衣擦れ 簪を解いて
赤子と変わらない見目好い姿
“ぬしも勾引かそう”

嫋やかな三日月の風光明媚な弧
背反する體は常夜に咲く日輪
明時に消ゆる 散華の花は
極彩色に舞う 江戸町 花魁

らんだにさよふくきょうを『とおりゃんせ』
あまたのえんぜんなはながいざなう

「あそんでくんなんし、きょうらくをしなんす?」

こうをたいてびらんとだんきんのまじわり
みだれざくべにふよう しへきのなすままに
ひふみとゆびおりかぞえたつきひ
ふせごでかいごろすかたはねのちょうちょ

こすれあいきぬずれ かんざしをほどいて
あかごとかわらないみめよいすがた
“ぬしもかどわかそう”

しなやかなみかづきのふうこうめいびなこ
はいはんするからだはとこよにさくひのわ
あかときにきゆる さんげのはなは
ごくさいしきにまう えどまち おいらん

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

花魁一片【作曲:虚客さん】

遊女

閲覧数:443

投稿日:2016/01/12 06:02:33

文字数:473文字

カテゴリ:歌詞

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