たわわに成った
赤いりんご
漬ける飴は
どろりと甘い

そんな感じ
美味しそうな
お月様が
夜空に成った

鋭く砥いだ
長い爪と
裂ける唇
赤く塗って

今夜毎夜
何処の誰を
食べたかしら
また明日

人狼少女
少女皮革(ショウジョヒカク)
なめし被る
醜穢成り(シュウワイナリ)

其処にいるの？
可愛い子ね？
こんな夜に
何処へ行くの？

さあ急いで
お家へほら(オウチエホラ)
急がないと
食べちゃうわよ？

御伽噺
赤くなぞる
狂奔の夜(キョウホンノヨ)
慰めて

痛いの？
怯えるような事
何一つ
ないわ
ただワタシ
に全て任せて

まだ見ぬ夢をまたひとつ
追いかけ惑う
廓道(クルワミチ)

眠れぬ夜をまた一夜
彷徨い歩く
廓者(クルワモノ)

熱く火照った
柔肌触れて
蕩ける様な
蜜を啜る

潤んでいる
その瞳は
鏡映し
寂しがりや

いつの日か
独り知れず
夜に消えた
哀れ少女

人狼少女
渇きのまま
愛玩の夜
噛みついて

教えて？
貴女の名前を
でも意味は
ないわ
これも夢
湖面に浮く月

愛と嘯く私まだ
傷付けるだけ
満月夜(マンゲツヤ)

明けぬ気持ちを私また
持て余すだけ
満ちぬ夜(ミチヌヨル)

人狼少女赤いまま
爪牙なんぞ(ツメキバナンゾ)
持ち寄って

人狼少女赤いまま
独り誰ぞ
襲いける