少女と壊れたオルゴール
こころが こわれる おと。
以下、歌詞
「最近、夢を見るの。」
壊れかけのオルゴールを 何度も、何度も
開けては閉め、開けては閉め。
もう、そこには大好きだったあの音は
残っていないのにね。
錆びて、歪んだ 鈍色の思い出。
セピア色のスクリーンに映し出された
お母さんの、優しい歌声。
そして、ふと気付くの。
壊れてしまったのは、私自身の方だって、ね。
「ねぇ、甘いものは お好き?」
小さな木箱、「心」を詰め込んで
小さな小屋と、あなたと二人きり・・・
「でもね、現実って そんなに甘くなかったの。」
崩壊、焦燥、緋色の三日月
三つ目の猫が 笑う、夜。
「どんな世界にも、魔女は付き物なのかしら?」
揺らぐ炎、何かが焼ける臭い、断末魔。
村人達の祈りが聞こえるわ。
「さぁ、魔女退治に出掛けましょう。」
小さな木箱、「思い出」詰め込んで
微かな音が、耳鳴りのように・・・
「死ぬことは、許されない。」
マシュマロの部屋、誰かの悲鳴、残響、金属音
呻き声、手錠、足枷、鋸、注射器、電極、水道管
お皿の割れる音、エーテルの臭い
「違う、これは・・・これは、夢ね。」
青く澄んだ空に浮かんで、空を泳ぐ夢
遠い過去に見た景色に
そっと、口遊んだメロディ
鈍色の音は 過去に帰る「逆さま歌」
「オルゴールの音は忘れない、オルゴールの音は忘れない。」
私は、必死に 自分に言い聞かせた。
「私は、狂ってない。私は、狂ってない。」
壊れたテープレコーダーのように、繰り返した。
歪んだ声は、敗戦兵の歌う
軍歌のような、抑揚の無い
シュールな音色。
「チェスをしましょう。貴方は、ナイトになって下さるのかしら?」
青い美空に空砲一つ
剣と盾には、花束を
死して屍拾う者無し
死なば諸共、流れ星
白い隔壁、鋼の檻を
砕く鉄槌、振り下ろし
歌う軍歌は、戦火の如く
部屋を朱色に染め上げる
「最近、夢を見るの。」
壊れかけのオルゴールを 何度も、何度も
開けては閉め、開けては閉め。
もう、そこには大好きだったあの思い出は
残っていないのにね。
錆びて、歪んだ 鈍色の音色
セピア色のスクリーンに映し出された
悍ましい異形の、優しい歌声。
そして、ふと気付くの。
壊してしまったのは 私だったって、ね。
「ねぇ、許して。」
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