飛行機の音に怯え彼女を強く抱いて――

――「ねぇ、あなたは何処から来たの？」
初めて会ったとき、少女は翠の瞳の彼女に訊きました。

「屹度、あなたの国は綺麗な建物が並んで、
みんな倖せに暮らしてる。絶対にそうよ」

少女の国では戦争があって、
彼女は何処か遠くへ連れて行かれそうなのを少女が護っていました。

「誰にも渡さないから……」

空襲が激しくなって　少女は彼女を布で包んで
赤子を抱くように見せて　彼女を護る

「大丈夫。屹度、戦争が終わって、倖せに暮らせる日が来るから……」

少女が囁いたとき　炎に包まれ
二人は誰もが争うことのない来世で廻り逢うことを誓って――

――灰となり、土に還りました。