失われた赤い運河の都
Lost Red Canal City

運河の道を下り来て　この都にたどり着く
人々はみな去りゆき　残るは抜け殻の街
ゆらめく影のならびは　在りし日のこだまなのか
幾千の昼と夜が　過ぎ去りて砂となって

そうだね　君はここにいたんだ　忘れてしまったほど
遠いはるかな　ずっと昔に
そうだよ　僕もここへ来たんだ　ほんの昨日のことだと
思っていたけどそれは　いつだったか

小高い丘の上から　見下ろす街の眺めを
赤い砂の風が吹き　すべてが乾き崩れゆく
歩くものは何もない　捨て去られた赤い道
幾万の星がそれを　変わらず照らしつづけている

そうだね　君とここで別れた　振り返っても見えない
遠いいつかの　ずっと昔に
そうだよ　僕はここで待ってた　すべてが終わったあとの
赤い運河の都で　いつまでも

運河の道を下り来て　この都にたどり着く
見捨てられた街を望み　独り立つ丘の上に
吹きすさぶ風のひびきは　在りし日の嘆きなのか
幾千の昼と夜が　等しくここで続いてゆく

赤い運河の都
失われた月日を
赤い運河の都
見つめて　悼み続ける
赤い運河の都
喪われたものたち
赤い運河の都
全ては流れの彼方に