月光がさらす
白い素足は
風に合わせて
逆らって回る

乱れた髪も
鼻歌に溶かす
彼女は天使だった

無知なヒールは震え
それでも上手に
踊るためなら爪も
命も捧げた

決まったリズムを刻んで
何故そうするのかを気にもせず
教えられるまま顔を上げ
喝采の快楽を知った
少しだけ大人に近づいた
彼女の羽根が ひらり
落ちてく

金輪で飾る
赤いヒールは
音に合わせて
迷わずに弾む

老いの 若きの
呼吸さえ奪う
彼女は天使だった

ライトの下を抜けて
洩らした安堵と
合わせてまた一枚
羽根が舞い落ちる

誤魔化し一つ許されない
影の粗(あら)も逃さず目を見張る
渇望したはずの光の
世界の退屈を知った
少しだけ昔を羨んだ
彼女は口ずさむあの日の歌


決まったリズムを刻んで
何故そうするのかを気にもせず
教えられるまま顔を上げ
彼女は飛ぶ術を捨てた

鼻歌に乗せて素足で
自由の弧を描(えが)いた天使は
あの月だけが覚えている
世界の安らぎの夜に
月光に彼女は戻らない
翼の夢幻(むげん)を見て 微笑(わら)った

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【曲募集】翼の夢幻

子供の頃は、大人になると夢が叶ったり楽しいことがたくさん待っていると思っていたが、大人になると子供以上に不自由が多かったり、色んなことに縛られてしまう。大人になってしまったら子供の頃を振り返り、あの頃はよかったと思うときもある。だけど大人の今もなんだかんだ、悪くはないんだよね。という感じで書きました。

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投稿日:2020/10/03 01:38:19

文字数:459文字

カテゴリ:歌詞

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