rudbeckia

のゑ

「君の音　ずっと探してる」

朽ちたテレビが笑っている
止まっていることも気付かず
私はそれを横目に俯く
白い光が燻る静寂
疲れた酸素嘘を吐いた
疑わないその罪が積み
「裁きを受けろ」　透明な夢
痛み分かち合う事も出来ずに

思索　冷めた重力
風儀　多くの蜜を
赤い槍　身を任せて
麻痺してゆく　麻痺してゆく

響くノイズの音
誰もが心地よく
振り子は眠ったまま
街は焦げ黒く染まる

君がいなくなって
私はずっと泣き続けている
零れた涙　湖を創り
水面にあなた映ると
私は何度も何度も泣き続け
涙が積もり海を創り
やがてそれは水の星となる
一人呟く　言葉泡に変え

月の香り可笑しく
夜がそっぽを向いた
繰り返す自己欺瞞に
壊されてく　壊されてく

響くノイズの音
伽藍の箱の中
崩れた少女の身を
流る懐かし旋律

乱れる周波数
微かな君の音
振り子は動きだした
誰が気づく事も無く

響くノイズの音
今はもう聴こえず
残されたその手には
君がくれたルドベキア